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MONMON PRESS
エッセイマンガ家 イラストレータ- MONの仕事
最近の本と映画
仕事が一段落ついたあとは、ひたすらだらだらしていて、台風で大学が休みになったりもして、これまただらだらごろごろするだけだったのですが、やっと本を読んだりする気力というか、そうしたい気持ちがわいてきました。
ちょっと今、あまり外出できない事情もあり、この連休一気に3冊読んで、今日はDVDを1本。

本は、『通訳』(ディエゴ・マラーニ)、『生きて行く私』(宇野千代)、『困ってるひと』(大野更紗)。
『通訳』は、EU会議中に奇行に走った16カ国語を操る多言語通訳者が失踪、その狂気は伝染性のものだったというサスペンス小説。ロンブ・カトー(『私の外国語学習法』など、自国ハンガリーを出ずに16カ国語を習得した通訳翻訳者。彼女によれば「じぶんの趣味生活利益につながる本を読むのと継続反復が一番の学習法」)など、多言語、他言語習得とそのしくみにとても興味があったのですが、好みの問題と思うけど、ちょっと語り口や展開に、入って行けなかったかんじ。

『生きて行く私』は、とってもおもしろかったけど、まことに僭越ながら、もっと黒くていいのにと思った。でも、そうしないところが戦略なのかも(こういうことを言うから黒い)。じぶんに嘘つけないって、ものすごくわかるだけにそう思いました。

『困ってるひと』これはほんとにおもしろくて途中でやめられなくて朝まで。。。
けど、検査とか病状とかがほんとに怖くて、途中から手と足の力が抜けたまま(汗)。でもそこをしっかり、正直に、でもおもしろく書いてあるっていうのが重要。
いろいろ考えることはあるのだけど、これを「難病」ももちろん、ほかのことすべてにあてはめて考えることが重要かなと思います。だから困ってるひとというタイトルを作者はつけたのだと思うし、彼女の本業であるビルマ難民のことをいつも出しているのもそのためと思います。

わたしは笑えないグチは言わないというのが一応信条なので(一応、です)、こういうふうに描きたい気持ちはとてもよくわかるし、とても好き。ていうか、笑いにしなきゃやってらんないのが本当な気がするし、わたしもそうやっていきたいと思う。

ただ、こういう災害病気障害周辺難民周辺でよく聞く、「大変なのに笑ってて強いね」っていうのが本当にきらい。だからわたしは、難民キャンプの笑顔の子どもの写真とかがだいきらい。災害地の美談もだいたいきらい。それぞれはすてきなんだとしても、それを見る、聞く人の大多数は、笑えるなら大丈夫と思ってそれきりになる。

今だからあえて書くけど、震災直後十把一絡げに略奪がどうとかというハイテンションな風潮、ほんとにこわかった。わたしは災害時に自分が困ったときに誰もいなくなったコンビニから何か持って行こうと思うのをとめられないと思う。それは略奪なのかな?みんなどうして自分がそんなに強いと思えるのか不思議。そして、略奪でもなんでも、だれも外国では本当にあったのか裏をとってないし、そもそも外国と比べるなら経済状況などの分母をそろえないとだめとも思う。ただそういうふうに言い合っていかないと乗り切れなかったのかもというのもわかるんです。

そして、とっても困ってるけどがんばってる人を美しいと言うのはわかるけど、そう言うしか、そうするしかない気持ちの底の方までまでわかろうとする人ってどれくらいいたのかとぐずぐずした気持ちは、まだひきずったままです。強い人になりたいか?っていうと、わたしはなりたくなかったりもする。そして自分も所詮他人ごとである後ろめたさもぐずぐずひきずっている。
わたしはよわよわだけど、しゃあなくがんばるところはがんばってきた自分も少しいると思ってるけど、それは強いからじゃなくて、弱いからそうできてきた。

ああ、これはきっと小さいころからの「はきはきしてる」コンプレックスもひきずっているのだ(汗)。

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映画は『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』
ずっと見たくてDVDを買ってあったのをやっと見ました。

ある日突然銃弾に倒れた、アメリカに不法滞在中メキシコ人カウボーイの、メルキデアス・エストラーダ。牧場で知り合った友ピートは、メルキアデスの、死んだら故郷に埋めてくれという約束を守るために犯人を突き止め、メキシコへ。。。

DVDのパッケージにある「衝撃のラストとか友情のなんとか」とかそういうのはどうでもよくて、これは「孤独」の物語だなあと思った。

だからといって、じゃあ、ふれあいが大事とかそういう話に人はしたがるけれど、そんなんでもない(もちろん、そこに琴線が触れる人はいるとおもうし、それはそれでいいのですが)。
アメリカでも「西部劇(ウエスタン)」とカテゴライズされたことに対して、監督や制作者やキャストが、これのどこが西部劇なの?って言ってるっていうのを読んだけど、まさにそう。カウボーイが出てれば西部劇なのか?なんかおかしい。

皆、何か、「そうせざるをえなかった」ことや、気持ちを抱えて生きている。
そこになにやら嘘があったって真実があったって、それぞれにとって大事なことはそこじゃない、そういう話だとわたしは思いました。

主人公のカウボーイのオッサン、ピートを演じる主役兼監督のトミー・リー・ジョーンズがもう、もくもくとした動じない男で,カッコよかったなあ。
メキシコの荒野にぽつんとある酒場のシーンが美しかった。。。そこん家の娘がへたなショパンの『別れの曲』をピアノで弾いている、電飾がきらきらと輝いている、そこで淡々と交わされる会話。。。ここに行ってみたいって思った。TALKING HEADSの『HEAVEN』のバーはあんなところじゃないだろうかとか、そんなこと考えていた。
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