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ブンミおじさんの森
実を言うと、きのうの夕方までタイトルも知らない映画だった。
昨日は、あべのの近鉄百貨店で開催中の「へうげもの」陶芸展&赤いお茶会を見に行って、遅いランチを食べてカフェで仕事を少ししてたら、なんとなく映画見たくなったので調べたところ、前から見たかったアッバス・キアロスタミの新作「トスカーナの贋作」をレイトショーでやってた。だけどそれにはまだ4時間あったので、同じ映画館でその前に上映してたタイ映画「ブンミおじさんの森」を、ついでに見ることにしたのだった。
で、なぜタイトルがブンミおじさんだけかというと、残念ながら、トスカーナのほうは、わたしにはどうもしんどくて半分ねてしまって。。。。

で、「ブンミおじさんの森」なんですが。
BUNMI.jpg
不思議な映画。
なんだか、ものごとの流れとか速度とか、わたしの所詮狭い常識なんかがいろいろとくつがえされて、え、なんでこのひとたちこうなん?とか、どこ行ってるのこの人たち?とか、えええーーーとかいうことがとても静かに進行して、でも、そのうち、ああ、そうだよね、うんうん、やっぱそう、あるよねこういうこと、ってなるっていうかんじ。。。なんだかわかりませんね、これじゃ。

ブンミおじさんは、タイの田舎で農場をやってるんだけど人工透析を自宅でやってて余命いくばかりもない。
人工透析を手伝っているのはラオスからの出稼ぎの若者。
ブンミおじさんは、ふだん街に住んでる19年前に死んだ妻の妹とその息子を呼びよせる。
テラスで食事をしていると、死んだ妻の幽霊が現れる。
話ししてると(これがみんなふつうにしゃべってるんですよ)、けむくじゃらの、もののけ姫のショウジョウみたいなのが階段をのぼってくる。
それは森で行方不明になったブンミおじさんの息子だった。
で、またみんなふつうにしゃべってるんです。
農場の日常を交えながら、ブンミおじさんは家族を連れ(幽霊の妻も)死に場所として森の洞窟へ、そして前世を語りだす。。。。


いやしかし、人の前世は動物だったという、まあ他のどこでも聞くことがあるであろうイントロの語りで、だけど画面に映し出される動物が「水牛」。そこからすでにわたしはやられちゃってたかもしれません。タイ。

ほかにもいろいろと不思議な??場面が、あたりまえのようにあって、でも、なんかもう、すぐ、ああ、うんうん、あるかもね、いや、あるよねって気分になるんですけど、それは表現に力がないと無理だと思うし、わかりやすい答えなんか用意されていなくても、その映像のなかでたゆたっていられるのは、イメージのビジョンが強くしっかりしてるからだと思った。答えなんてもともとないわけだし。
そもそもほしいのは答えじゃない。

あと、ほんのなにげないセリフに、「共産党をたくさん殺した」とか「父は森に人を狩りにいって」とか出てくる、国の歴史にもヒリッとしました。ここは、韓国映画「息もできない」で、韓国からベトナム戦争に何万人もかりだされたというあたりにもつながって。
農場のラオスからの出稼ぎ労働者がフランス語を話せるとか、それだけで数十秒しか出てこないその役名もない人物とそのまわりまでの世界があると感じさせてくれる。
しつこいけど「息もできない」で、わたしがいちばん好きなシーンは、借金取り立てに行った主人公と手下が、取り立てに行った家で食事してるところで、取り立てのふたりはなんか炒めものみたいの出前かんなかで食べてて、取り立てられてるほうは、コーンフレーク食べてる。
こういうシーンはなかなか作れない。
映画ってやっぱり好きだなときゅんとするのはこういうシーンに出会ったとき。

農場で収穫してるのはタマリンドの実だったりとか、タイの田舎の農場の家に写真用の暗室がある、そんなあたりにも心をもっていかれた。

この映画は2010年のカンヌ・パルムドール受賞なんですが、そのときの審査委員長ティム・バートンのコメント。
「世界はより小さく、より西洋的に、ハリウッド的になっている。でもこの映画には、私が見たこともないファンタジーがあった。それは美しく、まるで不思議な夢を見ているようだった。僕たちはいつも映画にサプライズを求めている。この映画は、まさにそのサプライズをもたらした」
ほんと、見たことのないファンタジーでした。世界は広くてもっと深いなって思った。

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