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シッピングニュース
ゆうべ、っていうか朝4時すぎごろ、ようやく部屋のかたづけが一段落、急に映画を見たくなったので、家にある見れてないDVDの中から「シッピングニュース」にしました。

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去年(おととしだー、もう)「ブロークバックマウンテン」を見て大感動してから、原作者のアニー・プルーの小説をいくつか買って、この「シッピングニュース(港湾ニュース)」も読んでいます。たしかあまり翻訳が好きじゃあなかった記憶があるけど(日本語文体の好みの問題)。
監督がラッセ・ハルストレムだから見たかったのもあります。
ラッセ・ハルストレムといえば、わたしは「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」や「やかまし村」シリーズや「ギルバート・グレイプ」は大好きで、でも「サイダーハウス・ルール」(主役トビー・マクガイアはぴったり)はあまり好きじゃない。それはたぶん原作が好きすぎて、もっともっとアーヴングのえぐいところを出してほしかったからなんだけど、でも、じつは「サイダーハウスルール」はアーヴングが脚本もやってるんですよね。
アーヴィング原作映画では「ガープの世界」や「ホテル・ニューハンプシャー」がわたしは大好きなんだけど、アーヴィング本人は嫌いらしいし。。。。(といっても、やっぱ原作のほうがはるかに好きだけど)。

さて、「シッピングニュース」は、というと、わたしはとても好きだったけど、原作読んでないとわかりにくいかもしれない。原作読んでなくても細かい演出を楽しめる人にはよいかもしれない。
原作にあった、主人公の途中までそうとう悲惨だった人生をとてもうまくはしょっていて、ニューファンドランド島での生活(ぜったい住めない)、ワイヤーでゆわえられた岬の家のイメージ、家を運ぶクオイル家のイメージなど、とても美しかった(住みたくないけど)。
みんな悲惨な過去があって、子どもたちにも傷があって、でもこれらが明るい場所でではなく、なんかもうどうしてこんなとこにわざわざと思うような寂しい寂しい北の島で、少しずつ、少しずつ、癒されていくのが皮肉で不思議。

ケビン・スペイシー(わりと好き)演じるクオイルは、原作でも思ったけど、ほとんど父親に虐待されて育って、友達もほとんどいなくて(映画では彼の唯一だった友達をはしょってたのがちょっと残念。いいキャラクターだから)、「そのへんで見いだされた」妻にはいいように使われ(大好きケイト・ブランシェットが、つくづくどうしようもないビッチの役、やっぱうまいしきれい。おしりが大きいのも好きなんだー)、でも、人を恨むでもなく、いい人なのが救われる。

わたしは人って「そのように生まれてくるのだ」「すべては相性なのだ」って思ってる。環境(相性)で人の世界は変わるし、もちろん環境は選べないものと選べるものがあって、本人には選べない環境のため傷ついて違う方向へ行っちゃうこともあるんだけど、本質は生まれもってのものしかないと。そのあたりを見誤る人は、奢って人を非難しがち。わたし自身もそんな判断いつもできるかといえばそうじゃないけど、奢った人のことばのトラウマからいまだに抜け出せてないので、とてもとても慎重ではあるつもり。とくに子どものことを自分のお手柄だと言う親や(「子どもらしい」というキーワードがとくにトリック)、そういうふうに仕立てるまわりの人たちがいちばん苦手。
年末に「クラッシュ」っていう映画を見たんですが、そのときも、そんなことをぼんやり考えていた。LAは、平地恐怖症のわたしが最も住みたくない街だけど、ぎりぎりなところで幸せを見いだしながら生きている人たちが愛おしいと思った。
すごいハイテンションな映画で、見終わってすぐは「つかれたー!」と思ったけど、じわじわ思い出すたび味が出てくる。
「ギルバートグレイプ」で、ジョニーデップが彼女に「将来何をしたい?」って聞かれて悩んだあげく「善い人でありたい」って答えるシーンがすごく好きなんだけど、「クラッシュ」に出てる人も多かれ少なかれ、それぞれの人生観でみなそう思ってるのだと思う。

さて、シッピングニュース。
クオイルは、新聞印刷のインク係として働いてたのだけど、とりあえず新聞つながりで面接うけた北の島の地元新聞社でいきなり記者やれっていわれて、ぜったい無理って思いながら書いたらそれが好評で、そしたら週1で書けっていわれて、やってみたら大好評だった、みたいなのもおもしろくて、人生って案外こういうもんですよね。

読者をつかむ新聞の「見出し」術、みないなことを先輩から教わり、その後、何かあるごとに「見出し」を思いつくクオイル。この見出しbyクオイルが、原作でもすごく好きだったので、映画でもここんとこ、もっとあったらうれしかったな。
見直してないから曖昧だけど、たとえば、空模様が怪しいときの見出しは「海から嵐がやってきそうだ」じゃなく、「ストーム、港町を襲撃か」にするみたいなこと。

クオイルをニューファンドランドに連れて行くおばさん(ジュディ・デンチ)は原作のイメージにぴったり(わたし的に)。「ブラス!」の炭坑夫バンドマスター、ピート・ポスルスウェイトもちょい役なのによかった。ナッツビーム役のリス・エヴァンスって、どーもわたしには「マイライフアズアドッグ」の緑色の髪の少年が大きくなったイメージなんです。

わたしは映画じたいには関係ない「つながり」を自分のなかに発見するのが好き。
原作者アニー・プルーには実は、アップルサイダーの作り方の実用書があって、とりよせてみたんだけど、すっごく難しくてだめだった。でもここで、アップルサイダー→サイダーハウスルールのつながりがびみょーに。
ケイト・ブランシェットをはじめて見た大好きな映画「オスカーとルシンダ」では、未開だったオーストラリアの奥地にガラスの教会を船で運ぶシーンがあるんだけど、そこと、この映画で氷原の上を、家をまるごと運ぶシーンがシンクロした。

ちなみに、わたしが「家って運べるの」と思った最初の発見は、絵本の「ちいさいおうち」です。この名作絵本のお話の、どこよりも、この「家を運ぶ」ところに心をうばわれた5歳だった。

しかし、ギルバートグレイプもホテルニューハンプシャーもガープの世界も、みんなDVD廃盤になってるなんて!やっぱ見つけたら買っとかないとだめだなー。

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